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透析療法の基礎知識8改訂2版 はじめての透析看護腎臓の構造と働き透析療法を理解するためには,まず腎臓の解剖・構造,機能などを知ることが必要です.腎臓の解剖と構造●腎臓は,そら豆状を呈し,成人では長径10〜12cm,短径5〜6cmで重さは約120gです.●腹腔の上背側の後腹膜腔に,左右1個ずつ向きあう形で存在します.右側は肝臓の下にあるため左よりやや下方に位置します.●背部からみると第12胸椎から第3腰椎の両隣あたりです.●腎臓の中央のくぼみは腎門部と呼ばれ,大動脈から左右に分岐した腎動脈,下大静脈に戻る腎静脈,リンパ管,神経,尿管が通っています.腎臓の位置と形状腎臓の横断面(CT画像)腎臓尿管膀胱尿道腎臓の位置(文献1より引用改変)尿 管被 膜乳頭管糸球体尿細管ボウマン囊腎皮質腎皮質腎髄質腎髄質ネフロン腎 盂腎 杯腎杯腎盂錐 体腎杯に尿を排出するため乳頭管を集めている腎動脈小葉間動脈葉間動脈腎静脈動 脈弓状動脈腎臓の縦断面(後ろからみた図)(文献2より引用改変)右腎左腎腎臓は腹腔の上背側の後腹膜腔(胃や結腸,肝臓より後ろで膵臓,下大静脈,大動脈の近く)に左右向き合う形で存在します.腎臓の肉眼的解剖●腎臓を縦断面でみると,外側の皮質と内側の髄質に分けられます.●髄質は放射状に数個程度の腎錐体に分かれ,その先端が腎乳頭であり腎杯の部分に埋まっています.●尿は腎杯から腎盂に集まり尿管を通って膀胱へ運ばれ,尿道から排泄されます.●腎動脈は腎門部で分岐し腎葉の間を皮質側に向かう葉間動脈となり,皮髄境界あたりで左右に分岐し弓状動脈となります.皮質内では小葉間動脈となり被膜側へ向かい後述する糸球体へつながる輸入細動脈に続きます.

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