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第1章透析療法の基礎知識9改訂2版 はじめての透析看護腎臓の微細構造●腎小体からはじまり集合管に終わる腎の機能単位があり,これをネフロンと呼んでいます.●1個の腎臓に約100万個のネフロンが存在します.腎小体●糸球体とそれを包みこむ袋状のボウマン嚢を合わせて腎小体といいます.直径0.2mmの大きさで,尿が作られる最初の部分です.●糸球体は輸入細動脈から続く毛細血管の塊(5〜8個の小葉からなる毛細血管のループ状の塊)であり,その毛細血管の間にありつなぎの役割をしているのがメサンギウム細胞,メサンギウム基質です.●毛細血管壁内には血管内皮細胞,外には基底膜を挟んで足突起をもつ上皮細胞があります.●糸球体の毛細血管腔から濾過されてボウマン嚢に原尿ができます.●内皮細胞にある細い間隙や基底膜のマイナス荷電がふるいの役割をはたし,このふるいのおかげで血球や分子量の大きな蛋白,マイナスに荷電したアルブミンなどは通過しにくい構造になっています.ここに異常をきたすと蛋白尿や血尿が生じることになります.近位曲尿細管●ボウマン嚢から移行する尿細管の最初の部分です.ヘンレ係蹄(ヘンレのループ)●近位曲尿細管と遠位曲尿細管の間に位置するループ状の尿細管で,髄質深く入り込んでいます.●下行脚と上行脚に分けられます.遠位曲尿細管●ヘンレのループに続く尿細管で,髄質から皮質に上行し,同じネフロンの腎小体血管極に接して,緻密斑という特殊な構造を作っています.●この部分は傍糸球体装置(JG装置)と呼ばれ,JG細胞を含みます.集合管●数個の遠位曲尿細管からの濾液を集めて形成する管です.●皮質部から髄質に下降し乳頭管に至る部分です.腎小体(糸球体とボウマン囊)原 尿輸入細動脈乳頭管精錬された最終 尿尿 管尿 道②尿生成の流れイメージ①腎小体の構造血管極ボウマン囊尿管極近位曲尿細管尿内皮細胞上皮細胞基底膜メサンギウム細胞輸入細動脈傍糸球体装置輸出細動脈糸球体外メサンギウム細胞JG細胞緻密斑膀 胱腎盂尿尿輸出細動脈遠位曲尿細管集合管近位曲尿細管ヘンレ係蹄(ヘンレのループ)尿生成の流れと糸球体の構造(文献2より引用改変)

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