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10として12g/dLが設定され、観察研究の結果や管理のしやすさも考慮し、『2015ガイドライン』では目標Hb値の幅は2g/dLの広い範囲に設定された。複数回の検査でHb値10g/dL未満となった時点で腎性貧血治療開始が推奨されている。 腎移植後を含む保存期CKD患者の場合、維持すべき目標Hb値は11g/dL以上13g/dL未満とし、複数回の検査でHb値11g/dL未満となった時点で腎性貧血治療を開始することが提案されている(ただし、重篤な心・血管系疾患(cardiovascular disease;CVD)の既往や合併のある患者、あるいは医学的に必要のある患者はHb値12g/dLを超える場合に減量・休薬を考慮)。 腹膜透析(PD)患者の場合も保存期CKD患者に準じて考えることが望ましいとされている。 いずれのCKD患者においても、実際の診療においては個々の症例の病態に応じ、先述の数値を参考に目標Hb値を定め治療することが推奨されている。異常値とその原因 近年、赤血球造血刺激因子製剤(erythropoiesis stimulating agent;ESA)低反応性患者の予後不良が問題となっている。 『2008ガイドライン』では、血液透析患者は遺伝子組換えヒトエリスロポエチン製剤(recombinant human erythropoietin;rHuEPO)9,000単位/週あるいはダルベポエチンアルファ(darbepoetin alpha;DA)60μg/週静注しても目標値まで到達しない場合をESA療法低反応性としている。また、腹膜透析患者ではrHuEPO 6,000単位/週皮下注、あるいはDA 60μg/週静注しても目標値に到達しない場合を、保存期CKD患

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