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 ここに『透析看護ポケットブック』をお届けできることを光栄に思います。本書は、医療法人社団清永会グループおよび関連施設のスタッフに分担執筆してもらいました。私たちの透析医療のエッセンスが詰まっていると思います。 この10年あまりのあいだに、透析医療には多くの変化がありました。診療報酬の点数が徐々に引き下げられる一方、新たな薬剤や透析方法が使用できるようになりました。また、患者数が増加するとともに高齢化が進み、高齢者医療としての新たな問題が注目されています。さらに、東日本大震災をはじめとする大きな災害が日本各地に起こり、災害対策が透析医療において非常に重要であることが認識されるようになりました。 iPS細胞などの再生医療が急スピードで進歩しており、腎不全領域にも大きな期待がもたれていますが、透析に取って代わるまでにはまだまだ時間がかかります。したがって、透析医療は今後も重要な役割を担っていくことになります。透析医療はまだまだ発展途上であり、いかに患者に安全で良質な透析を行うことができるか、医療にかかわる一人ひとりが考え続けていかなければならないと思います。 本書はあくまでも透析看護におけるポイントをまとめたものです。本書だけに頼るのではなく、疑問があればぜひ成書や最新の論文にあたって知識を確かなものにしてください。本書が皆様の透析を学ぶきっかけになり、すこしでもお役に立つことができれば幸いです。 2019年10月清永会矢吹病院副院長 伊東 稔監修にあたって

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