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第1章 リン管理11工食品を控えることが大切です。 リンは、有機リンと無機リンに分かれますが、食品成分表を見ても、その区別はつきません。一般に有機リンは肉や魚などの動物性食品、豆や穀物などの植物性食品に含まれ、無機リンの多くは食品添加物に含まれます。無機リンは有機リンと比べて腸管からの吸収がよく、血清リン濃度をいっそう上昇させやすいため、添加物の多いハムやソーセージ、インスタント麺、缶詰食品、清涼飲料水は、同じリン含有量でも注意が必要です。たとえば、ハンバーガー店のセット食には、肉やチーズ、清涼飲料水、フライドポテトと、どれもリンの高い食品が含まれ、1日に摂取可能なリンの半分以上を占めるといわれます。 リンのコントロールは、食事療法だけでは十分に行えないことが多く、リン吸着薬を上手に用いることが大切です。現在、数種類のリン吸着薬がありますが、胃酸の影響を受けやすいもの・受けにくいもの、カルシウムを含むもの・含まないものなど、それぞれ特色があります。 リンが高くても、患者には何も症状がないため、リン管理の重要性を理解してもらえない場合も多くあります。また薬は、便秘の副作用があったり、食直後など内服時間に特徴があったりという理由から敬遠されがちです。外食の際に内服していないケースや、飲み忘れて食後時間が経ってから内服しているケースもあるため、服薬状況をしっかり確認する必要があります。引用・参考文献1) 日本腎臓学会企画委員会小委員会「食事療法ガイドライン改訂委員会」.慢性腎臓病に対する食事療法基準2014年版.日本腎臓学会誌.56(5),2014,553-9.2) 日本腎臓学会編.CKD診療ガイド2012.東京,東京医学社,2012,160p.摂取排泄食事(おもに有機リン)1,000 mg無機リン消化管吸収 700 mg300 mg400 mg700mg透析患者(無尿)700mg健常者1,000mg血液透析での除去便中排泄尿中排泄図 1日当たりのリンの出納

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