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10良好なバスキュラーアクセスを維持するためにエコーによるバスキュラーアクセス管理の必要性 透析をスムーズに進めるためには、良好な機能のバスキュラーアクセス(vascular access;VA)が必要です。穿刺が容易で、脱血不良や静脈圧上昇が生じることなく、透析終了まで何も問題がないこと、止血時間が短くて再出血もないことは、良好なVAの条件になるでしょう。また、長期間にわたって、このような良好な状態のVAが維持されることも重要です。ただし、これらを維持するためには、透析スタッフによる適切な管理が欠かせません。 透析スタッフは、理学的所見だけでなく、さまざまなモニターを駆使してVA機能をチェックすることができます。しかし、忙しい日々の業務のなかでVA管理だけに時間を割くことはできません。そこで、あらかじめチェックボックスなどを作成して簡便な管理法に努めている施設もあると思います。VA管理に超音波(エコー)検査は有用ですが、必ずしもすべての透析施設に超音波診断装置が備わっているわけではありません。また、超音波診断装置があったとしても、施設によってその使用法はさまざまであると考えられます。ただし現在、超音波診断装置が普及しつつあり、エコー検査ができるスタッフもすこしずつ増加してきています。したがって、これからはエコーを使用することが当たり前の時代になると考えられます。バスキュラーアクセス管理の三つのステージ VA管理は、三つのステージ(図1)で考えるとよいでしょう。それぞれのステージでエコーの有用性があります。 第一は、現状の把握です。すなわち良好な透析効率が得られているか、もし得られていない場合はVAに何らかの問題がないかを確認します。透析時

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