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編集にあたって シャントへの穿刺は、透析業務のなかでも新人・ベテランを問わず難関の一つといえます。血管を直接みることができない状況での把握や穿刺角度の決定など、穿刺は最初から最後まで状況判断の連続で、スタッフにとっても患者にとっても緊張を伴う技術です。穿刺がうまくいかなかった場合、その日の透析がスムーズに開始できないだけでなく、患者とのその後の信頼関係にまで影響するため、透析スタッフであれば誰もが穿刺を上達させたいと願っていることでしょう。 本書は、読者のみなさんから好評であった『透析ケア』誌の特集「血管がイメージできれば刺せるようになる! 書き込み式で鍛える穿刺のキホン ワークシート」(2016年7号)、「キホンを押さえれば“うまく”刺せる! 透析看護ビギナーのためのなるほど穿刺塾」(2017年6号)を合本し、別冊として刊行するものです。 本書の前半では、経験や感覚だけではなく、穿刺を理論的に分析して、考えながら穿刺できるようになるための方法を、わかりやすい図や写真とともに解説します。また、後半では、透析患者のシャントをしっかりとイメージできるよう、ワークシート形式を取り入れて穿刺のポイントを解説します。 これから穿刺をはじめる新人スタッフや経験の浅いスタッフも、ポイントやコツをいち早く掴んで、自信をもって穿刺に臨むことができるよう、本書を参考に学びを深めていただけましたら幸いです。 2018年5月名古屋記念財団新生会第一病院看護部長/慢性腎臓病療養指導看護師宮下美子
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