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11別冊 いよいよ穿刺するときに気をつけなければならないことは、患者の血管の状況はそれぞれ異なるということです。皮膚がたるんでいる人や人工血管の人、コロコロ動く血管の人、血管が深いところにある人や細くて浅い血管の人など、特徴のある血管の穿刺ポイントを以下に示します。1.コロコロとよく動く血管や人工血管など 親指で血管を伸展させて、血管が刺入部の反対側に逃げないように、ほかの指で固定しながら穿刺します(写真1)。2.細くて浅い血管 針先をどこに置くかを考慮し、穿刺部を決定します。刺した瞬間に腫れる場合があるため、表 シャント部観察のポイント(文献1より)聴 く 1. 自宅でのシャント音の異常の有無と自己管理状況 2. 血流音を聴診器で聴取(狭窄音の有無・強さなど) 3. シャント部の異常の有無(痛み・しびれ・かゆみなど)観 る 4. 血管造影・手術記録で血管の走行(動脈側・静脈側)を確認 5. 穿刺部周辺の感染の徴候(発赤・熱感・腫脹・疼痛・排膿) 6. 穿刺部周辺の皮膚の状態(皮下出血・搔き傷・テープかぶれなど) 7. シャント肢全体と反体側肢との比較 8. シャント肢を挙げてみる触 る 9. 血管の走行、拡張、緊満の程度、内腔の大きさ、血管壁の弾力10. 硬結の有無、不自然な凹凸はないかそのほか11. バイタルサイン、データ、一般状態の確認12. 体重増加、適正体重写真1 コロコロとよく動く血管・人工血管の穿刺ポイント左:血管を挟むように2本の指で固定する。右:刺入部の反対側に逃げないように1本の指で固定する。「穿刺」とは何かを理解しよう!第章1

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