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132トランスフェリン飽和度(TSAT)と 血清フェリチン濃度 鉄は、生体内に約3,000~5,000mg存在し、とくにヘモグロビンの構成要素として生体において必要不可欠なものです。体内の鉄のうち、約70%は血液中の赤血球のなかでヘモグロビンの一部に取り込まれ、酸素の運搬を行っています。約25%は、肝臓や脾臓のなかでフェリチンという蛋白質にくっついて貯蔵鉄として蓄えられており、赤血球の生産が必要となった際に運び出されて利用されます。これが血清フェリチン濃度として表され、貯蔵鉄の指標となります。 約0.1%程度の鉄は血清中に存在し、そのほとんどがトランスフェリンという蛋白質にくっついて全身に運搬され、これが血清鉄として測定されます。血清中のトランスフェリン濃度は総鉄結合能(TIBC)として表され、トランスフェリンと結合している血清鉄の値から、トランスフェリン飽和度(TSAT)が計算されます(図1)。 TSATや血清フェリチン濃度の値を知ることで、体内での鉄動態が把握でき、鉄欠乏性貧血の診断や鉄過剰の評価ができます。 トランスフェリン飽和度(TSAT)や血清フェリチン濃度の値を知ることで、体内での鉄動態を把握でき、鉄欠乏性貧血の診断や鉄過剰の評価ができます。トランスフェリン飽和度(TSAT)、血清フェリチン濃度から何がわかるの?

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