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851)降圧薬の種類レニン・アンジオテンシン(RA)系阻害薬 アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬などのRA系阻害薬は心臓保護作用が確立されており、さらには心血管合併症の低減効果も期待されています。つまり降圧作用以上のメリットが期待され、日本透析医学会の2011年のガイドラインでも第一選択とされています3)。ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬(アムロジピンベシル酸塩、ニフェジピンなど) 確実な降圧効果があり、副作用などへの特別な配慮もほとんど必要なく、実臨床でも使用頻度が高い薬剤です。β遮断薬 心不全、虚血性心疾患の心保護効果を目指す場合や、心房細動の脈拍コントロールには必須です。実際には降圧効果そのものを期待して投与するよりも、心臓保護薬という位置づけが強い薬です。そのほか α遮断薬は、起立性低血圧を来しやすいため慎重に使用する必要があり、早朝高血圧が顕著な患者に(しかもほかの薬剤を優先してから)就寝前に少量投与することがある程度です。利尿薬については、透析患者では尿量を増やして透析間の体重増加を抑えるために、むしろ透析中の血圧低下を予防する目的で投与することがほとんどで、降圧目的に投与することはほぼありま表●降圧薬の種類とキーワード①RA系阻害薬(ARB・ACE阻害薬):心保護・臓器保護作用→降圧薬の第一選択。●ARB:特別な副作用なし、用量調整必要なし。使いやすい。●ACE阻害薬:咳の副作用に注意。②カルシウム拮抗薬:確実な降圧効果あり。③β遮断薬:心保護薬として使用。徐脈・喘息増悪に注意。④そのほか(α遮断薬など):起立性低血圧に注意。第章2透析治療の薬のギモン

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