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編集にあたって 透析患者の足をケアできれば、どんな足も怖くないと私は思っています。つまり、透析患者の足はそれだけハイリスクな状態だということです。透析室という特殊な空間でケアをしていると、それが当たり前のように思えてしまうかもしれませんが、皆さんが対峙している目の前の人は全員、足に対して救いの手を求めている人たちです。言葉や行動で伝えることがなくても、足を見れば、さまざまなことを物語っているとわかるはずです。たとえば、日常生活での習慣や心の変化、栄養状態、透析治療がうまくいっているかなど、挙げればきりがありません。ただし、そのことに気づけるのは、私たち医療従事者がそこに関心をもてばの話です。 自己満足かもしれませんが、私自身、フットケアをすることで、微力ながら患者さんの足を救うお手伝いができたと実感することは少なくありません。たとえば、外見だけではわからない、爪の陥入による感染兆候を伴わない骨融解を起こした爪甲下潰瘍に関しては、発見してケア方法を模索した日本で最初の看護師は、おそらく私ではないかと自負しています。また、実際に身体的な足病変の進行を食い止めることができなくても、下肢切断に際して「足を切ることを決断できてよかった」と、心の重荷をすこしでも軽くすることができれば、それが患者さんの足に対する思いを救うことになるのだと感じています。ですから、患者さんからの訴えを待つのではなく、自分からケアに前向きに取り組むことで、患者さんの心の窓が開き、足病変を食い止める一歩を踏み出せると信じています。本書が、そうした皆さんの一助となれば、これほどうれしいことはありません。 このたびは、編者という大役を仰せつかり、真鶴会小倉第一病院の中村秀敏院長に深くお礼を申し上げます。また、同院フットケア委員会の中村陽子委員長をはじめ、いつも支えていただいている同院のフットケア委員会の皆さまにも、この場を借りてお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。2020年10月足のナースクリニック代表/日本トータルフットマネジメント協会会長/ 皮膚・排泄ケア認定看護師西田壽代3

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