302230790
2/14

はじめに 行動観察から高次脳機能障害を評価する「認知関連行動アセスメント(CBA)」を作成し、6年の月日が流れました。思えばこの6年は、つねにCBAのことを考え続けた時間でした。作成直後に赴任した医療法人珪山会で、多職種スタッフにCBAを伝え、共鳴してくれた仲間たちとCBAについて語り、データを取り、リハビリテーションに取り入れ、研究に進めと、取り組んだ6年間でした。 法人外の人たちとも、多くの交流を持ちました。CBAを使い始めた皆さんから多くの賛同とともに、使用の難しさ、疑問点などをいただく機会も多く、メールで、電話で、あるいは直接議論を重ねながら、CBAをいかに用いるかについて、検討を続けてきました。 CBAは誕生から紆余曲折を積み重ね、現在なお成長中です。CBAの特徴は、リハビリテーションやケアで患者さんにより適切にかかわるためのツールであること、そして、多職種の連携を進めるためのツールであることにあります。障害をお持ちの方が少しでも自分に残された力を発揮し、その人らしく生きていくこと。そして、障害をお持ちの方にかかわる人々が、職種を越えて情報を共有し、よりよい支援につなげていくこと、そこにCBAの使命があると考えています。 CBAは未だ完成形に到達していませんが、多くの関心を持ってくださる方々に、ここまでの私たちの取り組みや得られた知見をお伝えすることは、CBAの次の展開につながっていくと感じます。うまくいったこともいかなかったことも、なるべくわかりやすくそのまま示し、再び多くの方々からご意見をいただき、また新しい議論をしていきたいと思います。2020年1月鵜飼リハビリテーション病院/言語聴覚士森田 秋子2

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る