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発刊に寄せて 医療・介護の現場でチームアプローチは重要性を増しています。しかし、口で言うほど簡単ではありません。特に脳損傷によって生じる高次脳機能障害や認知症の症状は、わかりにくく、対応が難しく、職種間で理解の差を生じることも多く、チームアプローチを阻む要因になることが少なくありません。 医療法人珪山会は、愛知県名古屋市の地域に根付く医療・介護サービスを提供する法人で、一般病院、回復期リハビリテーション病院、訪問看護ステーション、通所リハビリテーション、介護老人保健施設を有しています。 当法人では2014年から、全スタッフが高次脳機能障害を理解するために、「認知関連行動アセスメント(CBA)」の普及を進めてきました。当初はスタッフへの浸透はなかなか進みませんでしたが、地道な努力の継続により、スタッフの理解の向上が見られ、最近はCBAの点数を聞くことで患者さま利用者さまのイメージを共有できることが多くなり、チームアプローチの促進と提供するサービスの質の向上につながりつつあります。 このたび、法人内のスタッフが、CBAの解説書を発刊することになりました。まだまだ道半ばであり、今後も症例検討やデータ収集を重ね、CBAの運用について研鑽を続けていく所存ですが、現段階での経験や知見を多くの人に知っていただくことができれば大変うれしく思います。興味のある方には、ぜひ手に取ってお読みいただくことを願っています。2020年1月医療法人珪山会 理事長・鵜飼リハビリテーション病院 院長鵜飼 泰光3

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