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8たら摂食嚥下障害があると思え」といわれるように6)、高齢者は、加齢による機能低下、無症候性脳梗塞、薬の副作用、認知症、不良姿勢などの影響で、容易に誤嚥する可能性があるため注意が必要です。医療・介護従事者に求められること   図37)のように日本の高齢者人口は年々増加しており、今後も増加の一途をたどると予想されています。2010年に800万人を突破した80歳以上の高齢者人口が、わずか5年後の2015年には1,000万人を超えました。また、2025年には認知症高齢者の数が700万人になると推計されており、この十数年で1.5倍に増える計算になります8)。摂食嚥下障害患者が現状より増加することは明らかです。また、在宅高齢者に嚥下内   摂食嚥下障害の原因5)表3A.器質的原因口腔・咽頭食道●●舌炎、アフタ、歯槽膿漏●●扁桃炎、扁桃周囲膿瘍●●咽頭炎、喉頭炎・咽後膿瘍●●口腔・咽頭腫瘍(良性・悪性)●●口腔咽頭部の異物、術後●●外からの圧迫(甲状腺腫、腫瘍など)●●その他●●食道炎、潰瘍●●ウェッブ(Web、膜)、憩室(Zenker)●●狭窄、異物●●腫瘍(良性・悪性)●●食道裂孔ヘルニア●●外からの圧迫(頸椎症、腫瘍など)●●その他B.機能的原因口腔・咽頭食道●●脳血管障害、脳腫瘍、頭部外傷●●脳膿瘍、脳炎、多発性硬化症●●パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症●●末梢神経炎、ギランバレー症候群など●●重症筋無力症、筋ジストロフィー●●筋炎(各種)、代謝性疾患●●薬の副作用  ◦その他●●脳幹部病変●●アカラジア●●筋炎●●強皮症、全身性エリテマトーデス●●薬の副作用●●その他C.心理的原因●●神経性食欲不振症  ◦うつ病、うつ状態●●認知症  ◦心身症  ◦その他

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