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9 栄養部門にもマネジメントの原理を適用することで、もっと仕事がうまくいく、やりがいをもって働くことができるようになるはずです。マネジメントの3つの役割 ドラッカーは、マネジメント論を体系化した著書『マネジメント』で、マネジメントには次の3つの役割があると定義しています2)。①自らの組織に特有の使命を果たすこと②仕事を通じて働く人をいかすこと③社会の問題に貢献すること ここでの「使命(ミッション)」について、ドラッカーは著書『経営者に贈る5つの質問』のなかで「組織の存在理由」であり、「人にかかわるものであり、それは心底からのものであり、正しいと信ずるものである」3)とも論じています。「組織の存在理由は人と社会をより良いものにするために存在する。すなわち組織にはミッションがあり、目的があり、存在理由がある」3)ことを理解しておきましょう。 さらに、『マネジメント』では病院などの公的サービス機関のマネジメントにも言及しています。「われわれに与えられた選択は、サービス機関が成果をあげるための方法を学ぶことにほかならない。しかもサービス機関は、成果をあげるべくマネジメントすることが可能である」4)とあります。この著書が書かれた1973年ごろの米国の公的サービス機関関係者のマネジメント志向への前進を喜びながらも「いまはまだ、自分たちが行うべきマネジメントを行っていないということに、ようやく気づいたという段階にすぎない」5)と指摘しています。 日本における公的機関である病院や地域の介護施設に、マネジメント理論が意識的に導入されたのは、今から10年くらい前であることから、ドラッカーの「ようやく気づいた」との指摘は、日本では30年以上遅れていると考えられます。マネジメント=経営だけではない1マネジメントとは何か第章1

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