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8 要介護にいたった年齢階級別要因(図3)を見ても、前期高齢者では脳血管障害が多くを占めていますが、その割合は高齢になるほど低下していきます。そして、後期高齢者では高齢による衰弱、いわゆるフレイルが多く、高齢になるほど増加が顕著です。骨折・転倒などもフレイル・サルコペニアと密接に関連していることを考えると、加齢による予備能力の低下がかなりの割合で要介護の原因になっていることがわかります。この図と加齢に伴う誤嚥性肺炎の割合を照らし合わせると、嚥下リハビリのパラダイムシフトの必要性が見えてくるのではないでしょうか。フレイル・サルコペニアと摂食嚥下障害 ここで、加齢による予備能力低下に大きくかかわるフレイル・サルペニアの概念を確認しておきましょう。フレイルとは フレイルとは、加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能など)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態のことですが、一方で適切な介入・支援によって、生活機能の維持向上が可能1図3 要介護にいたる年齢階級別要因厚生労働省「平成25年国民生活基礎調査の概況」より0 20 40 60 80 100(%)40~6465~6970~7475~7980~8485~8990以上(歳)■□脳血管疾患(脳卒中) ■□心・呼吸器疾患 ■□悪性新生物(がん)■□神経変性・糖尿病・感覚器障害 ■□関節・脊髄関連 ■□骨折・転倒■□認知症 ■□高齢による衰弱 ■□その他

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