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2急性胃炎とは胃粘膜に限局した炎症で,発赤,浮腫,びらん,出血などを呈する病変に対し,急性胃粘膜病変という呼称が最近よく用いられる.発症は急で経過は短く,原因が明らかな場合が多い.原因は,薬物,ストレス,暴飲暴食,アルコール,過冷(過熱)食品などの食事,細菌感染など.1日当たりの栄養基準痛み,嘔吐のあるときは水分の補給に配慮する(尿量+不感蒸泄量+異常喪失分).[絶食時]総輸液量:体重1kg当たり40~50mL[回復期]エネルギー:標準体重×30kcalたんぱく質:標準体重×1.2g脂質:総エネルギーの20%ビタミン,ミネラル:推奨量以上★食事療法の方針①痛み,嘔吐があるときは絶食し,胃を安静にする.水分が不足しないように注意する.②痛みが治まれば,流動食→三分粥食→五分粥食→全粥食→常食へと移行する.③消化が悪く,刺激の強い,脂肪の多い食品は避ける.④冷たい食べ物,熱い食べ物,味の濃い食べ物は避ける.★食事療法の工夫①水分補給 湯冷まし,うすい番茶,麦茶,重湯,くず湯などを補給する.不足する水分と栄養の補給は末梢静脈栄養で行う. 末梢静脈栄養は,嘔吐が激しい場合は,生理食塩液,リンゲル液でCl−を補う.②食事の移行流動食:重湯,野菜スープ,すまし汁,くず湯,果汁三分粥食: 卵豆腐,豆腐,温めた牛乳,ヨーグルト,はんぺん,野菜やじゃがいもの裏ごし急きゅう性せい胃い炎えん●acute gastritis

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