4慢性胃炎とは病理学的に胃に慢性炎症がみられる場合に診断がつけられる.低酸性胃炎(胃液の分泌低下の高齢型)と過酸性胃炎(胃液の分泌が多い若年型)に分けられる.胃液の塩酸,ペプシンの検査を行い,病状を的確に認識し,食事療法を実施する.萎縮性胃炎はその終末像である.ヘリコバクターピロリ(HP)感染の関与が指摘されている.共通の注意点①間食・夜食を避ける.②食事はよく噛んで,ゆっくり,規則正しくとる.③アルコール類,炭酸飲料,カフェインなどは避ける.④過食を避け,少量で栄養価が高く消化のよい食べ物を選ぶ.⑤食後は安静にする.⑥冷たい食べ物や熱い食べ物は避ける.1日当たりの栄養基準(低酸性胃炎の場合)エネルギー:標準体重×35kcalたんぱく質:標準体重×1.2g脂質:総エネルギーの20%ビタミン,ミネラル:推奨量以上★食事療法の方針胃液の分泌が低下しているため,食欲不振や消化不良など栄養障害を起こしやすい.①消化のよい食品(特にたんぱく質)をとり,消化のよい形態にする.②胃液の分泌を促すため酸味を多くし,香辛料を適宜活用する.③硬い食品や繊維の多い食品は避ける.また油は胃に長く停滞するので控える.④1回に食べる食事量を少なくし,回数を1日5~6回にする.★食事療法の工夫①消化のよい食品および料理例主 食: 軟らかいご飯,時間をかけて炊いた粥,トースト,煮込みうどん慢まん性せい胃い炎えん●chronic gastritis
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