本書を推薦します 在宅ケアとは、訪問看護師やホームヘルパーの派遣など、福祉の援助を必要とする人に対して、在宅のままで家族が中心となって介護・看護を実施する形態をいいます。ここでは看護師、ヘルパー、ケアマネジャーなど多くの専門職の方々がコラボレートしてケアを提供しています。 「オールカラー改訂2版 訪問看護師のための在宅感染予防テキスト」は、2008年発行の初版本以来12年余りが経過しており、この間において医療施設の診療形態もかなり変化がありました。病院と診療所、そして介護老人保健施設などの地域連携が強化され、地域包括医療が積極的に行われる現状となりました。その結果、病院から退院後の在宅への復帰率も上昇してきています。在宅ケアに関わる専門職は、家族も含めた在宅ケア支援チームメンバーとして作業を分担して連携し、お互いの業務を支え合っていかなくてはなりません。 感染制御に関しても地域連携において急性期病院のインフェクションコントロールチーム(ICT)のメンバーが地域医療にかかわる機会も増えてきました。在宅ケアにおいては基本的な標準予防策の実施はもちろんのこと、ペットが同居している現状や日常の家事や仕事をこなしながらの介護、さらに感染防止にはまったく素人の家族による介護や支援が行われている状況下などでの感染制御の難しさがあります。 このような訪問看護師に焦点を当てた感染予防の本書では、NPO法人HAICS研究会の精鋭の方々が新しい技術や知識を取り入れ、写真やイラストを使って在宅ケア特有の感染制御の基本について大変分かりやすく解説していただきました。各項目は在宅ケアに携わる者にとって、とても大切な項目であり、ホームヘルパーやケアマネジャーに対しても親しみやすいテキストとなっています。在宅ケアを実施していくうえで、本書が実践の場で役立つものと期待しております。2020年1月医療法人平岩病院 病院長/東京医療保健大学 名誉教授大久保 憲Recommendation
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