推薦のことば 医療現場や産業保健の現場、また地域保健の現場などでの保健指導の歴史は古く、これまでにも保健指導に関する多数のテキストが存在しています。しかしながら、「保健指導実施者のマインド」と「勇気づけ」をメインテーマとして書かれたテキストはこれが初めてではないでしょうか。 私は、上谷さんが医学部の教員時代から自分でコツコツとアドラー心理学を学び、試行錯誤をしながら保健指導や産業医による面談に勇気づけを取り入れている姿をずっとみてきていました。そんな彼女が現場で蓄積してきた生きた保健指導のノウハウが、読みやすくわかりやすい書籍のかたちで出版される運びとなり、指導者としてもうれしく思います。 私もアドラー心理学の概要は知っていましたが、この本の原稿を最初に読んだときに、アドラー心理学の理論が見事に実務レベルにまで落とし込まれており、すぐに現場で活用できる内容だと感じました。さらに、保健指導だけでなく、臨床医の面談などの医療現場において普遍的に役立つ内容でもあると思います。 今後も上谷さんが医療界に「勇気づけ」を拡げていくのを応援するとともに、この本を読まれる皆さんの保健指導が勇気づけであふれるものになることを願っています。千葉大学名誉教授・千葉産業保健総合支援センター所長 能川 浩二
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