302260120
4/22

4はじめに はじめまして、こんにちは。 本書に興味をもっていただき、ありがとうございます。私はふだん産業医として、働く人たちを心身の健康面からサポートするために、企業の人事担当者や健康管理担当者のお手伝いをしています。 産業医や企業で働く産業看護職(保健師、看護師など)の大切な業務のひとつに「保健指導」があります。医療機関や健診機関で特定保健指導をしている保健師にとってはメインの業務ですね。また、生活習慣病に対する生活指導として保健指導に携わっている看護職や管理栄養士の人もいるでしょう。 ところで、私たちのような保健指導を実施する支援者(保健指導実施者)のうち、「保健指導が大好きで得意」だと感じている人はどれくらいいるでしょうか。「保健指導が得意で、日常業務で困っていることは何もない」という人には本書は必要ないかもしれません。けれど、「なかなか効果的な保健指導ができていないように感じる」「正直言って保健指導は苦手だ」「そもそも保健指導って意味があるの?」と日頃から感じている人には本書がきっと役に立つことでしょう。 かくいう私も、駆け出しの産業医の頃は保健指導の楽しさや醍醐味について理解していませんでした。若くて未熟だったことや、まだアドラー心理学の存在を知らなかったこともあり、恥ずかしなが

元のページ  ../index.html#4

このブックを見る