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2…慢性期意識障害の評価 慢性期意識障害を評価する目的は、医療と介護の連携・情報伝達をスムーズに行い、社会復帰や在宅医療が可能かどうかを判断したり、どのような治療、看護・介護、支援が必要なのかを検討したりすることです。慢性期重症意識障害を対象としたものとして、広南スコア(表4)4)、ナスバスコア(表5)5)、日本意識障害学会編慢性期意識障害のスコアリング(表6)などが利用されていますが、慢性期軽症意識障害までを対象にしたものは現在ありません。評価項目スコア成 人E:開眼(eye opening)4自発的に3呼びかけにより2痛み刺激により1開眼しないV:言語音声反応(verbal response)5見当識あり4混乱した会話3不適当な発語2無意味な発声1発声がみられないM:最良の運動反応(best motorresponse)6指示に従う5痛み刺激部位に手足をもってくる4痛みに手足を引っ込める(逃避屈曲)3上肢を異常屈曲させる(除皮質肢位)2四肢を異常伸展させる(除脳肢位)1まったく動かない表2 グラスゴー・コーマ・スケール(Glasgow Coma Scale:GCS)Ⅰ.覚醒している(自発的な開眼・発語または  合目的な動作をみる)1見当識あり2見当識なしまたは発語なしⅡ.覚醒できる(刺激による開眼・発語または  従命をみる)10呼びかけにより20痛み刺激によりⅢ.覚醒しない(痛み刺激でも開眼・発語および  従命がなく運動反射のみをみる)100L痛みの部位に四肢をもっていく、払いのける100W引っ込める(脇を開けて)または顔をしかめる200F屈曲する200E伸展する300動きがまったくないL:Localize(局所)、W:Withdraw(引く)、F:Flexion(屈曲)、E:Extension(伸展)表3 エマージェンシー・コーマ・スケール(Emergency Coma Scale:ECS)51章 意識障害を正しく理解する 1意識・意識障害とは

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