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療養者を支える看護10はじめてみよう訪問看護ケース3 68歳の女性 脳梗塞 脳梗塞後の後遺症として右上下肢の不全麻痺がある.急性期病棟での治療後,リハビリ病棟に移ってきた. 「友達と温泉に行くのが楽しみだったが,もう行けない」と悲観している. 急性期病棟では,保清として清拭とシャワー浴のみ行っていた.まだ年齢的に若く,セルフケア機能を高められる可能性がある時期と考えられます.「今」リハビリを頑張る気持ちをもてないと機能の低下を招き,生命力の消耗につながってしまいます.リハビリの専門職と相談して,浴槽に入るための支援を検討してみましょう.利用しやすい温泉について情報提供していくことで,意欲を高めることができないか,チームで検討しましょう.●看護師は療養上の世話として患者のケアを行い,診療の補助として点滴やカテーテルの管理等を行いますが,患者にとってその行為が看護の目的に合っているかどうかは,常に考える必要があります.●看護師による処置やケアが「看護」になっているかどうかは,提供した行為そのものではなく,患者の生命力の消耗を最小にすることに寄与しているかどうか,自然がはたらきかけるに最も良い状態にすること(患者が持っている力を最大限に発揮させること)につながっているかどうか,というアセスメントにかかっています.引用文献1)金井一薫.ナイチンゲール看護論・入門 “看護であるものとないもの”を見わける眼.現代社,1993,55-6.2)加藤清仁ほか.看護師の業務としての「診療の補助行為」についての考察.2007.5.30https://www.e-kango.net/safetynet/law/page32.html

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