訪問看護の基本訪問看護とは1Keywordを読み解く訪問看護という言葉の意味いつから、どこで始まったのか病棟看護・外来看護との違い主に訪問看護ステーションと医療機関からの利用者宅訪問訪問看護という言葉の意味 病院・診療所などの医療機関以外の場での看護のことを、「居宅看護」「在宅看護」「地域看護」などいう呼びかたがされています。それをまとめると表1のようになります。つまり、「訪問看護」とは、「病気や障がいをもった方の家を訪問して、療養上の世話や医療処置等の看護を行い、望む場所で最期まで自分らしく生きることを支援するもの」です。 英語のvisiting nurseやdistrict nurseは日本の訪問看護師と近い仕事といえそうです。いつから、どこで使われ始めたのか 現在のような看護師による訪問看護の実践が始まったのが、1970年頃です。その実践をもとに制度化されたのが、1983年(老人保健法施行)。 日本が「高齢化社会」(65歳以上が人口の7~14%)となったのは1970年。人口の高齢者比率が14%になった1975年前後は、「高齢社会到来」と厚生白書に初めて「寝たきり老人」という言葉が登場しました。この頃に、日本の各地でボランティアでの訪問看護の実践が始まりました。表1 日本における訪問看護に類する用語表現と意味呼びかたor呼称意味合い使われかた訪問看護提供の形での表現・利用者宅・施設・学校等へ訪問して看護を行う在宅看護看護の場からの表現・在宅での看護家庭看護看護の場からの表現・病院ではなく、家庭で行われる看護・生活の場での看護の意味公衆衛生看護公衆衛生的な立場・予防・地域など集団対象・主に保健師が担当した分野地域看護医療機関などの場ではなく、それ以外の地域全体を視野に入れた概念・地域での看護・デイサービスや介護保険諸サービスでの看護など幅広い10
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