訪問看護の基本医療的ケアと療養上の世話2Keywordを読み解く「医療の場での看護」と「生活の場での看護」訪問看護は「生活の場での看護」「生活支援」「生活の場での看護」のキーワード「医療の場での看護」と「生活の場での看護」 日本の看護職は圧倒的に「医療の場(病院、診療所など)」で働いてきました。救命・治療という使命を果たしてきたのです。 ところが、近年「生活の場」での看護職への期待が高まっています。「生活の場」とは、病院や診療所などの医療機関以外の居場所、住処、場です。具体的には、自宅、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、看護小規模多機能型居宅介護施設、認知症グループホーム、サービス付き高齢者向け住宅などです(図1)。 これからは、重度者でもほとんどは生活の場で暮らし、ときどき、入院して医療を受けるようになるでしょう。さらに、医療ニーズの高い要介護者などが病院に長期入院するのではなく、生活の場で療養することが多くなってきました。生活の場で、安心して楽しく生活するために看護職の果たす役割は大きいです。訪問看護は「生活の場での看護」「生活支援」 訪問看護の主な役割は、「生活の場での看護」です。訪問看護の利用者である在宅療養者は、終末期の方、重度心身障害児(者)、難病など生涯にわたり重い病気や障がいがある生活を余儀なくされる方です。病気や障がいがありながらも、自分らしく満足できる生活・人生を送ることができるように支援していきます。もちろん、医療ニーズの高い方も多いし、医療面での視点・ケアは重要ですが、診断・治療・延命中心の看護ではなく、豊かに生活できるよう支援する看護といえるでしょう。「生活の場での看護」のキーワード 5つのキーワードを図2に示しました。12
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