はじめに 日本で訪問看護が始まってほぼ50年。記念すべき年にこの書籍を出版できることをうれしく思っています。歴史をより正確に、記録に残すような本をつくらなければならないと自覚をして計画・企画してから14年になります。途中で断念して中断していましたが、メディカ出版で出版していただくことになり、2018年から全面的に企画をし直して、再出発してこのような形でまとめることができました。まとめようと思った理由・目的 「訪問看護に求められる内容ってどんどん変わっているようにみえるけど、この先どうなるんだろう」 「2020年、今の訪問看護をめぐる状況・関係する事項を、解説つきで定点記録として残したほうがいいよね」 「訪問看護の歴史の本がないよね」 「在宅看護論で訪問看護の歴史について講義されているけど、不正確な内容が講義されているようだよ」 「訪問看護って何をする仕事なのだろう。そもそもどうやってスタートしたんだっけ?」 そういう声をもとに、まとめることにしました。それを整理すると次のようです。・2020年現在の訪問看護をめぐる状況・関係する事項を、キーワードを中心にまとめる。 「訪問看護のいま」を整理し、記録に残す。訪問看護を担当したときに、これを読めばおおよその外観がつかめるという内容にする。・「歴史から学ぶ」さらに「未来を考える」ヒントをまとめる。 「未来を語るには歴史から学ぶ」といわれます。訪問看護の始まりから現在までの訪問看護業界の中で仕事をし、見てきたこと・感じたことをより正確に記録に残す。その中からそれぞれの立場で「未来を考える」ヒントをまとめる。この本の特徴・内容①第1章は、“訪問看護のいま”を、キーワードで俯瞰する 訪問看護をめぐる状況は刻々と変化します。2020年の今を切り取ってまとめました。これまで訪問看護になじみのなかった看護師でも、まずはこの業界の現況を把握していただける内容だと思います。②第2章は、“訪問看護の歴史”をキーワードで振り返る 日本の訪問看護の歴史を6期に分類し概要をまとめました。社会的背景・必要性に応える形で実践が始まり、そして制度化されていきます。 特に、現在の訪問看護の原型となる1970年代の訪問看護のはじまりに焦点をあてて記録し3
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