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ました。③第3章は、“訪問看護のこれから”をキーワードで探る 私たちが未来に向けて方向性を打ち出すことはかなり無理があります。今回はその一助となる努力をしているところです。私たちなりの現状認識と未来についての意見を掲載させていただきました。④「訪問看護」にしぼった 施設外・臨床外での看護として、「訪問看護」「在宅看護」「訪問指導」「家庭訪問」「公衆衛生看護」など多様な実践があり、その名称が使われてきました。ここでは、主に訪問看護事業所で働く看護師による訪問看護を中心にまとめました。⑤現場での実践の視点に重きを置いたまとめ 実際に全国の現場で行われてきた訪問看護活動に視点をあて、その変遷をまとめました。もちろん、実践に大きく影響をする行政・制度についても記述しました。 また、何が制度を変えるのかの視点を盛り込みました。制度化すること、制度を変えることに影響を与えた動き・実践・人について盛り込みました。まとめた著者たち 2006年から2007年に『訪問看護と介護』(月刊誌、医学書院)の連載「訪問看護のパイオニアたち」で、15回にわたって連載させていただきました。これは、日本社会の大きな課題である「高齢化対策」に、看護の立場から果敢に取り組んだ先輩看護師・関係者、それを普及・発展のために尽力した方々に、多数直接インタビューさせていただいた内容です。このインタビューと記事担当をしたのが、今回の執筆メンバーで、その経験を振り返ってまとめました。 4名は、現場の訪問看護担当者・管理者、教育現場など訪問看護業界に身を置いてきた者たちです。この本は、単なる分担執筆ではなく、現場の訪問看護師・訪問看護経験者、在宅看護教育担当の4人が頻繁に集まり、文献学習・インタビュー・討論をくり返す中で作り上げてきた共同の産物です。未来に向けて 地球温暖化、新型コロナウイルス感染症、国際紛争、国政の不安定など、日本の社会保障分野をめぐる状況は極めて不安定です。そういう中での「訪問看護」です。思い通りに地域住民の願いや自己実現に寄与できる状況にあるとはいえないですが、精いっぱい守備範囲に貢献する使命を果たしていきましょう。 この本が、訪問看護を担当している看護職や教育現場の方、あるいはこれからの日本の看護界・訪問看護界を担っていく方々が、歴史から何かを感じとり・学び、先につなぐことの一助になることに寄与できることを切望します。2020年2月著者一同4

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