302260200
3/20

はじめに はじめまして、こんにちは。 本書を手に取っていただき、ありがとうございます。 私はふだん産業医として、働く人たちを心身の健康面からサポートするために、企業の人事担当者や健康管理担当者のお手伝いをしています。 現代は、メンタルヘルス不調で休業することが珍しくない時代であると言えます。それでも、いまだに現場からは「メンタルヘルス不調で欠勤を繰り返す社員の対応に困っている」「不調から復職したスタッフを周囲が腫はれ物に触るような対応をしていて、周囲のスタッフまで疲弊してしまった」というような声が聞こえてきます。 日頃、メンタルヘルス不調者のために力を尽くしている支援者(産業保健スタッフ、人事労務管理担当者、管理職など)だって人間です。「メンタルヘルス不調で休むなんて、甘えている!」「私だってギリギリのところでがんばっていて、しんどいのだ!」という気持ちになることがあるかもしれませんね。 不調に至るプロセスは人それぞれですが、周囲の環境や対人関係、本人のプライベートの状況などによっては、誰もがメンタルヘルス不調に陥ることはあるのです。むしろ、昨今の閉塞した日本社会の環境に適応できず、メンタルヘルス不調に至る人のほうが、ある意味で人間らしいというか健全なのかもしれないとも思います。 程度の差はあれ、人には本質的に「幸せでありたい」「自分らしく生きたい」という想いがあり、私たちが病むのは「今の生き方では幸せに近づけないよ」「自分らしさから離れてしまっているよ」3

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る