本書は、たんに「テレワークを円滑に導入し、運用していくためのノウハウをまとめただけのマニュアル」ではありません。テレワーク導入をきっかけにして、大きな変化が当たり前になってくる社会における会社組織や人材育成のあり方、従業員の心身の健康管理のあり方などを根本から整えたいと考える経営者、部下を持つ管理職、人事担当者、教育担当者、産業保健スタッフ、一人ひとりの働く人たちの道しるべとなることを念頭に置き、書きました。 本書では、テレワークに前向きに取り組めるような、組織の心理的安全性や、レジリエンス(ストレス耐性、心のしなやかさ)の育て方、コミュニケーションのあり方、1ワン oオンn 1ワンミーティング、ハラスメント対策などについても具体的に言及していて、「テレワークの教科書」的な座右の書となりえると自負しています。 私たちが幸せを感じながら働いていくためには、所属感(ここは自分の居場所で、周りの人は仲間だなと感じられること)と貢献感(今の自分にできることで仲間の役に立っていると感じられること)が必要です。 オフィスワークで同じ空間で過ごすことで、「意識しなくてもなんとなく行われていたコミュニケーション」は、テレワークでは通用しません。このような状況で、部下が所属感や貢献感をもてるように意識的にかかわっていくためには、管理職の想いや考えを言語化して伝えるための、ある程度のトレーニングが必要です。 本書では、部下が所属感と貢献感を感じられるような声掛けの仕方やかかわり方についても具体的に紹介しています。コミュニケーションのトレーニングのためにも、ぜひご活用ください。 また、今後は会社と個人のあり方も変わっていくかもしれません。4
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