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3 日本が超高齢社会となるにつれて、高齢者の皮膚トラブルが増えています。汗をかいても着替えるのが大変、自分で入浴ができない、できても毎日入浴するのは負担が大きいなど、高齢になると皮膚を清潔に保つのが難しくなります。また、体が硬くなるなどの理由で、爪を切ることや背中や足に外用薬を塗るなど、皮膚のケアを行うのが困難なことも増えてきます。 高齢になると皮膚も変化します。皮膚が乾燥しがちでかゆくなることが増えたり、皮膚が薄くなって傷つきやすくなったり、長い生涯を通じて浴びた紫外線の影響で皮膚病が起こったりもします。 若くても皮膚トラブルに悩む人は少なくありませんが、若い人は自分で皮膚科に行き治療することができます。ところが、高齢になって寝たきりや寝たきりに近い状況になると、自分で皮膚科に通うことは難しく、家族や介護者が適切なケアを行ったり、皮膚科を受診するかどうかを判断したりしなくてはなりません。 この本は「ケアに役立つ」という視点に立って、介護の場面でしばしば遭遇する皮膚の困りごとを解決できるように、必要最低限のポイントをまとめました。高齢者が皮膚トラブルによるストレスを感じずに日々の暮らしを送れるように、この本を役立てていただければ幸いです。 2017年10月種田明生 ~ この本を手に取ってくださった方へ ~

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