症状と対応Ⅲ35 筋強剛(筋固縮)の発現機構には反射性活動が関与すると考えられており、より多くのシナプスを介する長潜時反射が関与する可能性が指摘されています4)。大脳基底核から脳幹(脚橋被ひ蓋がい核、延髄巨大細胞性網様核)で中継され、網様体脊髄路から脊髄運動ニューロンを興奮させることによりα運動ニューロンが興奮するという説もありますが、具体的な長潜時反射の経路や、なぜ長潜時反射が亢進するのかなどについては明らかにされていません。視床または小脳系の破壊後に筋強剛(筋固縮)は消失するので、筋強剛(筋固縮)を発現させる原因と、筋強剛(筋固縮)を維持する機構とは別である可能性があります。 筋強剛(筋固縮)の評価はMovement Disorder Society-sponsored revision のUPDRS(unied Parkinson’s Disease Rating Scale)であるMDS-UPDRSのパートⅢの3.3筋強剛(筋固縮)を四肢、頚部で評価することが簡便である。ベッドサイドでは患者の四肢、頚部、体幹を他動的に動かし、抵抗を感じるかを確認してみてください。対応方法としては「Ⅱ章 運動症状に対する治療」を参考にしてください。評価の方法もっとくわしく拘縮、痙けい性せいとの違い拘縮 可動域の制限:寝たきりなどにより筋が萎縮して、●あるところから抵抗が強く、伸ばせない・曲げられない。痙性 折りたたみナイフ現象:脳卒中の後遺症などでみられ、●はじめは抵抗が高く、あるところから急に抵抗なく曲がる。看護OneUp!Point
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