第1章新生児看護の特徴11はじめてのNICU看護●環境温度により容易に変動します.皮下脂肪組織が少なく寒冷時の熱産生が不十分なため,体温が下がりやすくなります.●発汗機能は未熟で,熱の発散ができずに高体温になります.体 温●さまざまな要因により閉鎖すべき動脈管の閉鎖不全を生じ,心不全状態に陥りやすくなります.●動脈管開存症(PDA)は,しばしば発症が認められるので注意が必要です.循 環●母体の免疫抗体は妊娠末期に胎盤を通して胎児に移行しますが,早産児は獲得しないまま出生するため血液中のIgGは低値であり,早産児自身の抗体産生も不十分です.●感染しやすく重症化しやすいといえます.免疫能●ネフロンの発達が未熟で糸球体ろ過能や尿細管機能,腎血流量ともに低いため,脱水を起こしやすい状態にあります.●水分の過剰な蓄積も起こしやすいといえます.腎機能●血流調整が未熟で少しの刺激でも脳血流の変化を受けやすく,脳室内出血を起こすリスクが高い状態にあります.脳神経●嚥下・吸啜・呼吸運動が協調するまでは,胃チューブによる乳汁の注入と経静脈栄養を併用します.●腸管自体が未熟で脂肪の吸収が悪いことから,吸収障害が起こりやすくなります.栄 養
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