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……… 15 ………第1章出生直後の赤ちゃんは、こんなところに注目!3筋緊張の評価 4泣き声のアセスメント1出生後に仰臥位をとると、膝はラジアントウォーマーのベッド面よりも少し浮き、腹臥位をとったときにヒップアップができれば「パッと見、筋緊張低下はない」と考えます(  ,  )。四肢屈曲位をとっていても、膝の外側がべったりとベッド面についていれば、筋緊張低下のサイン。蛙がでんぐり返ったときと同じような肢位となるため、蛙肢位とも呼ばれます(  )。その他にも筋緊張を評価する方法はいろいろあります(p.116参照)。図 6図 7図 84泣き声のアセスメント 胎児期の肺は肺液で満たされていますが、陣痛が始まるとそのストレスによってカテコラミンの分泌が増加、肺液の産生は抑制されて吸収が促進されるため、陣痛がきっかけとなって肺液の9割は吸収されます 1)。残った1割の肺液も産道通過時の胸郭圧迫によって口から排出されます。出生した直後の赤ちゃんの泣き声に耳を傾けると、聴診する前から肺の状態や呼吸音をある程度、予測することができるようになります。 帝王切開で立ち会い分娩をすると、時々、ガラガラとうがいをするような声で泣いている赤ちゃんに遭遇します。羊水が口腔内に残っていたり、羊水を吸い込んだためでしょうか? 胎児心音低下があれば苦しくなって子宮内で羊水を吸い込んでしまうこともあるかもしれませんが、正常な胎児では肺に羊水は入ってきません 1)。帝王切開で出生した赤ちゃんの場合、口腔吸引を行っても、いつの間にか液体や泡がまた口腔内に貯留してくることもよく経験します。つまり、このガラガラしたうがい声の正体は、残存した肺液が呼気とともに口元まで上がってきたためということになります 2)。ちなみに、せっけんのような界面活性作用を持った肺サーファクタントが、肺液に十分含まれていれば泡がたくさんできます(  )。赤ちゃんの泣き声で肺の状態を推測する!図 9口からあふれる泡の正体は……肺サーファクタントがたくさん含まれた肺液です図 9

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