021考えかた各論⃝1章 呼吸ケア月齢・年齢肺胞の数(×106)気道の数(×106)ガス交換面(㎟)体表面積(㎡)出生時241.52.80.213カ月772.57.20.297カ月1123.78.40.3813カ月1294.512.20.454歳2577.922.20.678歳28014.032.00.92成人29614.075.01.90出生時から成人までの増加率10倍10倍21倍9倍(文献1より引用,改変)表2 出生後の肺の発育(新生児期〜成人期)表3 加齢に伴う呼吸数の変化(文献2をもとに作成)年 齢呼吸数 出生時 40回/分1歳30回/分幼児期22回/分成人15〜20回/分胎芽期在胎週数0 50 1 27 8 9 10……206 1617 2421 2324 25 26 2725 3737+気道の分岐数管状期嚢胞期肺胞期偽腺様期ぎ せん ようのうほう*新生児の呼吸の特徴新生児期のヘモグロビン(HbF)の酸素解離曲線は左に偏位します。そのため、同じSpO2でも実際の動脈血の酸素分圧は成人に比べ低いことがあります(p22の上図)。要するに新生児では、SpO2がまだ高いから大丈夫と思っていたら、実際は思いのほか、低酸素血症になっていたということがあるので注意が必要です。 呼吸の調節は、延えん髄ずい(中枢性)と頸けい動脈小体(末まっ梢しょう性)という2つの場所が担当しています。延えん髄ずいは血液中の二酸化炭素分圧を指標に調節を行い、頸けい動脈小体は二酸化炭素分圧と酸素分圧を指標に調節を行っています。特に大切なのは二酸化炭素による調節です。成人・小児では、血液中の二酸化炭素の値が高くなると呼吸を早く大きくし、二酸化炭素の値が低くなると呼吸をゆっくり小さくするように調節します。しかし、新生児や早産児では二酸化炭素の値が高くなると、かえって呼吸をサボるような働きをします。同じく、出生直後は血液中の酸素の値が低くなると、かえって呼吸をしなくなります。これをhypoxic depressionといいます。要するに、新生児では呼吸がしんどくなると、ますます呼吸をしなくなるのです。 肺と気道の発達(胎児期から新生児期)
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