T290530
15/18

232呼吸器症状検査とモニタリング1混合性無呼吸原発性無呼吸続発性無呼吸の分類も、無呼吸発作時に何が起こっているかを考える上で非常に重要である。 病態による分類には、①中枢性無呼吸、②閉塞性無呼吸、そして③混合性無呼吸の3種類がある。表1に病態による分類とその特徴を記載する。 病因による分類には、①原発性無呼吸と②続発性無呼吸の2種類がある。原発性無呼吸は、呼吸中枢の未熟性や気道組織の脆弱性などによって生じる無呼吸発作である。続発性無呼吸は、患児の基礎疾患や母親に投与されていた薬剤などの影響によって生じる無呼吸発作である。何が起こっているのか? 未熟性による原発性無呼吸の発症機序を以下に記載する。早産児では化学受容器の二酸化炭素に対する感受性が低いため、高二酸化炭素血症に陥っても呼吸運動が開始分類主な特徴中枢性無呼吸●●呼吸中枢の未熟性によって生じる。閉塞性無呼吸●●上気道閉塞によって有効な換気ができないために生じる。●●胸郭運動は見られる。混合性無呼吸●●中枢性と閉塞性無呼吸が混在する。●●閉塞性無呼吸に続いて中枢性無呼吸が生じるのが一般的である。●●徐脈を伴う頻度が高い。 表1 病態による無呼吸発作の分類と特徴原因疾患呼吸器系後鼻孔閉鎖、小顎症、巨舌症、無気肺、気胸など中枢神経系頭蓋内出血、新生児仮死、低酸素性虚血性脳症、脳梗塞、脳室周囲白質軟化症、新生児発作、脳形成異常、先天性中枢性低換気症候群など循環器系貧血、血圧異常、動脈管開存、心不全、ショック、脱水など消化器系胃食道逆流、壊死性腸炎、消化管穿孔など内分泌・代謝系低血糖、体温異常、電解質異常、先天性代謝異症など感染症敗血症、髄膜炎、百日咳、RSウイルス感染症などその他薬剤、薬物離脱症候群、全身麻酔下での出生など 表2 続発性無呼吸発作の原因疾患 (文献3より引用改変)

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る