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●8● 炎症の範囲が広いタイプのほうがより重症になります。病状や検査の組み合わせで、軽症・中等症・重症・劇症の4段階があり、その段階によって治療が異なります。1潰瘍性大腸炎の経過・患者数 内科的治療によって病状は治まったり(寛かん解かい)、いろいろな誘因で再発し、寛解と再発・再燃を繰り返すことがあります。病状によっては手術が必要になる場合もあります。 もともとはとても珍しい病気でしたが、1980年代から患者さんの数が増え始め、年々増え続けています。乳幼児から高齢者まで、どの年代でも発症します。患者さんの発症頻度に男性・女性による差はみられません。潰瘍性大腸炎はまだ正確な原因はわかっておらず、完治させる治療法はありませんが、適切な治療により症状をコントロールできる場合も多いです。ストレスなどで再発することもあり、長期的な通院が必要です。潰瘍性大腸炎の臨床経過による分類急性劇症型(再燃劇症型)慢性持続型再燃寛解型初回発作型(イメージ)再燃寛解重症中等症軽症①排便回数6回以上重症と軽症の中間4回以下②顕血便(+++)(+)~(-)③発熱37.5℃以上(-)④頻脈90/分以上(-)⑤貧血Hb10g/dL以下(-)⑥赤沈30mm/h以上正常潰瘍性大腸炎の臨床的重症度による分類重症のなかでも、血性下痢(15回/日以上)、高熱(38℃以上)、白血球増多(10,000/μL以上)、強い腹痛を示す重篤なものを劇症とする。重症:①と②のほかに③または④のどちらかを満たし、かつ6項目のうち4項目以上を満たすもの軽症:6項目すべて満たすもの

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