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11顔面・口第1部耳介の異常1を伴わないまたは組織欠損が小さく,徒手的に一時的には正常な形態にできることが特徴である.多くの場合に聴力には問題はないが,整容性の改善が求められる.折れ耳は耳介頭側部分が前面に倒れ込んだ変形である(図4).立ち耳では対耳輪の平坦化により耳介は大きく立ち上がり,正面視で耳介前面が見える(図5).スタール耳では舟状窩を横断する異常な軟骨隆起(第三耳輪脚)を認め,耳輪縁の突出変形,対耳輪上脚の消失が認められる(図6).埋没耳は耳輪頂部が皮下に埋没した変形であり,しばしば絞扼耳の変形を合併する(図7).頻度は病型により異なり,出生時には折れ耳が40%弱,スタール耳が10%弱,立ち耳と埋没耳は1%未満と報告されている.前2者では8割程度で自然改善が得られ,1歳時点での頻度は折れ耳と立ち耳がそれぞれ約5%,スタール耳が1%,埋没耳が1%未満と報告されている4).組織欠損を伴う耳介変形:小耳症・絞扼耳 小耳症や絞扼耳では,耳介の一部または全体の欠損を認め,しばしば外耳道閉鎖を伴う.小耳症の重症度分類として荻野の分類を示す(図48).小耳症の頻度は6,000~1万2,500出生に1人とされ,黄色人種に多いとされる.男児の右側に多く認められる.年長以降になると,マスクや眼鏡がかけづらいといった訴えを認める.外耳道閉鎖や中耳変形により伝音性難聴を来す場合が多いが,内耳は正常で骨伝導聴覚,平衡感覚は異常を認めない.片側の聴力が保たれていれば,言語や運動発達面での問題はない5). 絞扼耳とは,耳介頭側部分の低形成であり,カップ耳や耳輪癒着症など種々な程度の変形が含まれ,健常な耳介と小耳症の間に位置すると理解される(図9).A.術前所見.耳輪脚部に先天性耳瘻孔を認める.B.術中所見.瘻孔を盲端まで追跡して切除する.本症例では軟骨の一部を合併切除した.C.手術終了時の状態.図3先天性耳瘻孔ABCA.術前所見.耳介の頭側部分が前面に倒れ込む.B.手術終了時の状態.対耳輪上脚が形成され,耳輪頭側部分の倒れ込みは改善している.図4折れ耳AB
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