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● 最近の治療法の進歩により、慢性腎炎の多くが治る病気になっており、ネフローゼ症候群も早期治癒とまではいかなくても、治療の選択肢が増えてきています。本書では、最新の情報をお伝えいたします。学校検尿、先天性腎尿路異常、遺伝性腎疾患、慢性腎不全についてもとりあげました。● 学校検尿は、すべての人が経験しているかと思いますが、実は世界的には珍しい制度です。なぜ始まり、その成果はどうなのかをご紹介します。先天性腎尿路異常は、こどもでは慢性腎不全となる病気として一番多いですが、一般向けの書籍で取り扱ったものはなかなかありません。遺伝性疾患、特にアルポート症候群も同様です。アルポート症候群の患者さんは難聴になったり、腎機能が悪くなり、透析をする人もいますが、社会で活躍している人はたくさんいます。ただ、遺伝という知識は大切です。慢性腎不全は病気を問わず、透析や腎移植を必要とする状態です。腎臓病のなかでは最重症ですが、それでも自立した社会人となっている人はいっぱいいます。本書を読んでくださるみなさんが、これらの病気や生活について、正しく、そして、より深く理解していただけるように解説しました。● 慢性の腎臓病をもった人は、長い間、時には一生病気につきあっていく必要があります。しかし、最近では慢性腎不全の人であっても、有酸素運動は推奨されるようになってきました。食事制限も必要とする場合は非常に少ないです。つまり、腎臓病をもっていても、学校へ行ったり、友達と一緒に遊んだり、もちろん、勉強したり、競争することは十分できるということです。腎臓の病気を大きなハンディと考えず、病気の特徴をよく知ってもらいながら、必要のない“限界という枠”を自分で作ってしまうことのないようにしてほしいです。そうすることで、こどもたちは、立派に成長していきます。本書がその手助けになりましたら幸いです。  2018年5月 後藤芳充  

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