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● おとなと同様に、こどもの糖尿病も大別して1型糖尿病と2型糖尿病に分かれます。● 1型糖尿病の原因は、膵臓のβ細胞から分泌されるインスリンの不足です。したがって、治療の中心は不足したインスリンの補充療法です。こどもであっても強化インスリン療法を行うのが基本で、1日4~5回の頻回インスリン注射かインスリンポンプ(CSII)と在宅自己血糖測定を行います。このような治療の下、こどもたちは糖尿病をもたないこどもたちと同様の生活を送ることができます。● 一方2型糖尿病は、主に生活習慣の劣化による肥満が原因であることが多く、その数は小児肥満の増加に伴い、全世界的に増えています。治療の中心は食生活や運動不足を改善し体重を減らすことですが、こどもであっても一部の患者さんは薬物療法に移行します。● 本書では、このようなこどもの糖尿病を1型糖尿病と2型糖尿病に分けて、その病態と治療について日本大学病院小児科の糖尿病スタッフがパートごとにわかりやすく解説しました。本書が糖尿病をもつこどもを指導するすべての人にとって良きガイドブックになることを心から望んでいます。最後にこの企画を立てていただいたメディカ出版の鈴木陽子さんに感謝いたします。  2018年7月 浦上達彦  

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