はじめに 私たちが携わっている新生児医療では、さまざまな場面で児やその家族との関わりがあります。「1日も早く、元気な姿でお母さんの元へ…」と心から願い、LDR(陣痛分娩回復室:陣痛から分娩・産後までケアする特別個室)や新生児室、NICU(新生児集中治療室)やGCU(新生児治療回復室)などでそれぞれの役割を果たしています。 今回、新人ナースが関わることの多い新生児疾患に関する書籍を企画し、臨床の現場で働いているドクターの方々に、病態や疾患を理解するための「病態・ケアマップ」の作成とその解説をお願いしました。 目の前の新生児に向き合うとき、基本的な病態生理を理解することはもちろん重要です。さらに、現在行われている治療を把握することに加えて、生まれてくるまでの状態、生まれてきたときの状態、生まれてからの状態について、一つひとつゆっくりと紐解くように、さまざまな角度から丁寧に見極めることが大切なのではないでしょうか。 本書は「病態・ケアマップ」を中心に、原因から病態生理、把握するための症状や臨床検査、治療方針などが述べられています。これらを頭の中で整理し、携わる新生児の状態の把握に役立てることができるように願っています。2020年3月愛育会福田病院新生児科部長髙橋大二郎
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