T300212
3/14

1  『胎児心拍数モニタリング講座』初版は2005年10月に出版され,たくさんの皆さまにご愛読いただき,この度,改訂3版を発行させていただくことになりました.この間,産婦人科診療ガイドラインの発刊や産科医療補償制度の開始など,産婦人科診療の標準化や安全で安心できる産科医療の提供に向けた,学会や国の取り組みが進みました.そういったなかで,ガイドラインや報告書でも胎児心拍数モニタリングの判読の重要性が指摘されています. 改訂3版では,まず,より実際の波形に近い見え方になるように,波形をカラー化してはっきり判読できるよう工夫しました.また,皆さまの知識の整理に役立つよう,章末に簡単な〇×によるチェック問題を5問ずつ付記しました.さらに,新たな項目として,「『産科医療補償制度・再発防止に関する報告書』に学ぶ」と「子宮内感染例」「母体心拍との取り違え」を加えました. 産科医療補償制度の事例分析が進むにつれて,たくさんの脳性麻痺症例の胎児心拍数モニタリングも集められ,胎児心拍数モニタリングの重要性が再認識されています.産科医療補償制度の原因分析報告書の中で,胎児心拍数モニタリングについて「臨床経過に関する医学的評価」として指摘された実際の文章を挙げていますので,是非一読して,実際の言葉から臨場感を持って学んでいただき,自施設の監視方法と比較して活用していただければと思います. 以前にも増して皆さまのお役に立ち,そしてこれからも長年にわたって可愛がっていただける「胎児心拍数モニタリング講座」であることを願っております.  2017年1月藤森敬也福島県立医科大学医学部 産科・婦人科学講座 教授改訂3版 序文

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る