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 本書の初版が発刊されて8年が経過しました。当初、本書は、助産師向けの月刊誌での2年間の連載をまとめて1冊の本とし、超音波検査を始めるすべての人たちに「これだけは知っていてほしい」という最低限の知識を学んでもらうために出版しました。その後、たくさんの方に臨床で利用していただきました。また、助産師学校でも超音波検査の教科書として利用していただいていると伺い、大変うれしく思っていました。これから超音波検査を始めようとする「全くの初心者」の皆さんが読みやすい本を作るという、当初の私の目標は達成できていたのかなと、自分ながら思っています。 それと同時に、8年が経過し、超音波装置のさらなる進歩や産科超音波診断技術の進展もあり、私たちが知っていなければならない知識も、会得しなければならない技術も日々多くなり、この本では足りないことも出てきているのを感じていました。今回の改訂では、この8年間で変更された用語や定義を現在のものへ更新し、今まで掲載されていた超音波画像もさらにわかりやすく鮮明な画像へ変更しました。知っておいてほしい知識も少し増やして、カラー画像の方が分かりやすいものはカラー画像を掲載してパワーアップ、ボリュームアップした内容となりました。この改訂版も、これから超音波検査を学び、始めようとしているすべての医療者の学習、日常診療に利用していただければ幸いです。 「妊婦や胎児の異常を見つける」のは妊婦健診の最低限の目的だと私は思っています。もう一つステップアップした健診を行うには、妊婦が今、何を心配して健診に来ているのか、それを解消するために超音波検査を利用してどのようなことができるのか、そのためには妊婦へどのような画像を描出して見せながらどのように説明するのがよいのかということを常に考えることが必要です。これらを念頭に置いた上で、いかに臨機応変に臨床を実施できるようになるかが、私たちの腕の見せどころです。 すべての人が超音波装置を診断ツール+コミュニケーションツールとして自由に利用できるようになる一助になることを願って。  2016年8月金井雄二改訂2版 序文

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