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101.超音波って? 「超音波とは?」という難しい話は成書におまかせすることにします。皆さん、高い山に登って「ヤッホー!」と叫ぶと返ってくる現象、「やまびこ」をご存じですね。これを英語では「Echo(エコー)」(反響現象)と言います。ほかにも寺院やホール、体育館など天井の高いところで手を叩くと、跳ね返って聞こえる現象を一度は経験していると思います。これも「エコー」です。やまびこが返ってくるまでの時間は、跳ね返す向かい側の山までの距離で決まります。 これと同じことを人体へ応用したものが超音波検査です。見たいものへ声や拍手の代わりに「超音波」という振動を発信し、跳ね返ってきた「超音波」を速度と強さに応じて画面に表示させたものが「超音波画像」です。画像上、超音波を強く跳ね返すもの(骨、石灰化など)は超音波概論白く、反対に超音波を跳ね返さずにそのまま通してしまうような液体成分が多いもの(羊水、心臓や血管内の血液など)は黒く表現されます。早く跳ね返ってきたらプローブに近いということを、遅かったら遠いということを表し、得られた画像はプローブを当てた部分の断面図に相当します。魚群探知機の原理も超音波検査と同じです。魚群探知機は漁船の底(プローブ)から超音波を発信して魚群や海底(胎児や胎盤に相当)からの跳ね返りを画像にし、海(妊婦のお腹に相当)の大きな断面図で魚群(胎児に相当)がどこにいるかを画像として表したものです。2.超音波検査の特徴 胎児の検査で一番大切なのは、安全性です。産科領域で使用される程度の超音波は弱いので、超音波スクリーニングは安全だと考えられています。また、出生後の発達にも悪影響がないことが報告されています1)。 超音波検査の最大の特徴は、胎児の状況をリアルタイムで観察できる点にあります。検査が短時間で比較的容易に行え、任意の断層面が観察でき、そして軟部組織の描出に優れているという点が、胎児診断にぴったりなのです。また、装置が小型で移動が容易な上に、比較的安総論:超音波の基本1
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