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かつて、会陰の領域および生殖器に広く分布する神経が「恥部神経(nerf honteux)」とよばれていたことはなにも偶然ではありません。この呼称は、かつての解剖学者たちが人体のこの部分に羞恥のベールをかぶせたことを物語っています。 今日、この領域はもはや恥ずべき部分ではなく、腹部や性器もなんでもありというほどあらわです。インターネットがあるために、オーガズムは制約なしで表現され、出産でさえスター扱いで、お産を「オーガズム的」と形容するサイトまであるほどです。陰部の脱毛、小陰唇のピアスなど女性たちは性器の「ルックス」を整えるのに余念がありません。そのような時代でありながら、女性向け雑誌のグラビアの裏側には今なお暴かれることのない羞恥心があると思えてなりません。実生活の中で、ペリネは一生涯を通して無視される未知の存在であり、乱暴に扱われ、破壊され、ないがしろにされ続けているのですから。こうしたことは、医学会も含め、「進歩的」とされる社会を支配する習慣や衛生的な生活あるいは無知、故意の無発言、沈黙、タブーといったことからきているのです。ペリネという中心的な器官について何も知らないがために、まるで組織化されたように日常生活動作で誰もが同じ誤りを犯し、学校教育やスポーツジム、競技生活などで誤った身体教育が行われる結果となっています。それはまた、胎児とともに子宮や膀胱や内臓を体外に向かって押し出すような分娩様式の原因ともなっています。開始時期の遅すぎる不完全なペリネのリハビリを行っても、下降してしまった内臓器がもとの位置に戻ることはありません。組織化され多くの犠牲者をだしているペリネの破壊行為。この社会的な問題に対し、羞恥心を捨てて、そのベールを取り除き、時には修復不可能なこともあるダメージを単に修復しようとするのではなく、それを最小限に抑える試みをしてみようではありませんか。 Bernadette de Gasquetはじめに

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