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4度の領域(実行しようと思う)」の3つの領域があり,学習の深さとしては,知識の領域を例にとれば,単純に「想起(思い出す)」レベルから,得られた情報の「解釈」,そして解釈の結果の「問題解決」までの深さがあると理解してください.2)知識・スキル・態度 最終的に「現場で実行する」ことを実現するため,前提条件としての「知識」は必須です.「思い出す」ことすらできなければ,現場で実行することはできません.しかし単に思い出すだけでは不十分で,「問題解決」の深さまで考えられなければ行動にはつながりません.「問題解決」まで考えられるようになれば,解決策を実行に移すための「スキル」を実施できる能力が必要になってきます.「知識」と「スキル」とが揃ったところで,状況を理解し,状況に応じて「スキル」を実施しようと思う「態度」を習慣付ける必要があります.繰り返しトレーニングすることで「態度」が習慣付けられれば,「現場で実行する」ための基礎的な準備ができたことになります(図2).あとは現場の環境が整えば,日常的に実行される可能性が高まるでしょう. わかりやすい例として,野球について,そして自動車の運転について,それぞれ考えてみましょう.野球をするためには,まず「知識」としてルールを知っている必要があります.また「スキル」として,狙ったところにボールを投げる,という技能も必要でしょう.ランナーがベースから離れすぎている,という状況を理解して瞬時に牽制球を投げる,という行為でアウトをとるためには,瞬時に判断するという習慣付けが必要です. 自動車を運転するためにはまず「知識」として自動車運転にかかわる法律を知っている必要があります.また「スキル」としてブレーキを踏んで適切な位置で車を停車させる,という技能も必要でしょう.信号が赤であることを判断して停止線に車を止める,という習慣付けは,自動車を運転する上で必須の態度です. 野球は試合の前に練習を積み重ねて行動化・習慣化を行います.自動車の運転については,教習所で実際に車を運転しながら行動化・習慣化を身につけます.同じように,母体急変時の初期対応についても,知識を確認し,スキルを身につけ,思考と行動を習慣付けることにより「現場で実行する」ことを目指して,講習会を開催します.頭(知識)知っている心(態度)実行しようと思う技(技能)実行できる3つそろってはじめて現場で実行してもらえる頭心技知識・態度・技能図2

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