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2　J-CIMELS公認講習会ベーシックコースをふまえた具体的な指導技法や指導ポイントをお伝えする前に，本項ではそれ以前に知っておいていただきたい「成人教育」についてのエッセンスをまとめています．他のシミュレーショントレーニングのインストラクター養成コースを受講された方にとっては，すでに習ったことのある内容かもしれませんが，成人教育について初めて学ぶという方にもわかりやすいよう，重要なポイントを解説します．ぜひ一度はお目通しいただき，Part2「実習編」の具体的な指導に関する内容に進んでください．　まず，わたしたちがコースでインストラクションする目標を確認しておきましょう．まだ指導に慣れていないうちは，覚えてきた内容をきっちり話すこと，指導するにあたって事前に考えたプランを実行することなどで頭がいっぱいになりがちです．少し慣れてきた人であれば，受講生がスキルを身につけること，シナリオの中でうまく行動できることなどに目が向くかもしれません．もちろんこうした事柄も，コースで指導するにあたって大切な点ではあります．しかし，わたしたちはもう少し大きな視野で指導の目標をとらえたいと思っています．第一に考えていただきたいのはです．インストラクターがプラン通りに指導内容を話すことができても，その内容が受講生に伝わっていなければ，受講生の行動は変わらないでしょう．また受講生に指導内容が伝わり，コースのシナリオの中ではうまく行動できたとしても，その同じ行動を実際の現場で実行してもらえなければ，結局は母体急変時の初期対応は変わらないことになります．　実際に現場で実行してもらうためには，その必要性を強く感じてもらうこと，現場で実行するにあたって障壁となる事象（資器材の問題，人的資源の問題，意欲の問題など）を認識してもらうこと，そして障壁を取り除いて実際に遂行できる環境を作ろう！という気になってもらうことなどが必要です．　そのためには，型通りの話，型通りの指導を覚えて繰り返すだけでは不十分です．いま話している内容がなぜ重要なのか，いま指導している行動がなぜ必要なのかという意味付けを行ってから，十分に伝えるよう意識してください．重要な点については，何度繰り返して強調して1なんのためのコース指導か早わかり成人教育1実際の現場の行動を変えること