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14 尿蛋白半定量検査時の残尿の取り扱い 尿中蛋白半定量が陽性の場合には、検査後に残っている尿を尿中蛋白定量や尿蛋白/クレアチニン比測定に使用できるので、すぐに破棄しない。数値をどう読む?どう考える?■■■基準となる値■■■⃝尿糖・尿蛋白ともに陰性■■■検査値の解釈と注意点■■■◦尿糖 尿糖陽性のみでは、「妊娠時に診断された明らかな糖尿病」(糖尿病合併妊娠)や妊娠糖尿病とは診断できない。診断のためには、精密検査が必要である。 尿糖半定量は偽陽性が少ない 尿糖は、個人差はあるが血糖値が160〜180mg/dL程度を超えないと陽性にならない。正常な妊婦では食後でも血糖値が180mg/dLを超えることはまずない(ただし、感冒罹患の際には食後に尿糖陽性となる場合があり得る)。したがって尿糖陽性は、半定量を施行したその時点では少なくとも正常範囲を超えた高血糖であったことを示している。◦尿蛋白 正常妊婦の約4名に1名が、妊娠30〜36週の間に妊婦健診で少なくとも1回のDipstick test陽性を示す。これら1回のみ陽性の場合の有意な蛋白尿検出は病的意味を持たない。ただし、2回連続の妊婦健診でDipstick test陽性の場合、精密検査が必要である。 尿中蛋白半定量は偽陽性が多い 尿中蛋白半定量に広く用いられている、いわゆるテステープ法(Dipstick test)は蛋白濃度が30mg/dLで陽性となるよう設定されているが、実際にはもっと低い濃度から陽性となり、偽陽性率が高い。そのため、結果が1+(陽性)であっても精査(尿中蛋白定量)されずに経過観察とされる場合が多い。しかし、経過観察中に急性増悪する妊婦がいるので注意を要する。 尿糖は、個人差はあるが血糖値が160〜180mg/dL

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