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………………………………………………………………………………第1章妊娠中に学んでおきたいこと551身体についての新たな学び妊娠すると、妊婦は今までに感じたことのない欲求や複雑な感覚、不意に起こる説明のつかない痛みや不快感などに襲われます。輝きや非常に特殊なエネルギーを放ちながらも、妊娠前より敏感で疲れやすく、それまでとは異なった精神状態になります。脆もろさと力強さ、平静さと不安、幸福と苦悩、何もかもが絡まり合って、理屈に合わない物事の連続です。妊婦に比べてホルモン状態の安定している父親は父親で、そのテンポについていくのも難しいのではないでしょうか。カップルそれぞれが自分たちに合ったコミュニケーションの形態を見つけ、少しずつそれに適応していかなくてはなりません。その道のりを容易にするために習って身につくこともあるでしょう。また、カップル同士で、妊婦の快適さを高めるためにできることがあるのなら、身体的なコミュニケーションのほうがよいこともあります。疎外感を感じる父親たち父親たちの多くは、陣痛が起こることや、胎児を傷つけることを恐れて、あえて妊婦に「触れ」ようとしません。特に、お腹なかに触れたり、マッサージやセックスをしたりすることを避けようとします。ときとして、父親たちは麻ま痺ひしたようにがんじがらめになり、一心同体にある母児の結びつきから、自分だけが仲間外れだと感じたり、逃げ出してしまったりすることもあります。お産当日に、準備もなく即席でお産に寄り添うこと自体、それはもう大変なことです。これから紹介するさまざまなエクササイズをカップルで行うことによって、分娩時にも活用できる基本的な要素に慣れておくことができます。本書で学ぶ基本は、妊娠や出産や産後に役立つだけでなく、父親も含め、一生を通じて誰もが活用できるものです。

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