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………………………………………………………………………………第1章妊娠中に学んでおきたいこと653垂直姿勢の基本避けるべき誤った姿勢たいていの椅子は、背もたれが後方に傾いていますが、絶対にこのような背もたれにはもたれかからないでください(図1-2 中央)。姿勢を正そうとして腰を反らすのも、誤った座り方のひとつです(図1-2 右)。胃のむかつきや消化不良を感じるとき、肋骨下に「スペースをつくろう」として、妊婦は本能的にこのような座り方をします。正しく座るためには適切なアイテムの助けが必要で、それがなければ、単に緊張がほかの場所に移るだけです。分娩台上でよく見受けられる誤りは、重力をかければ胎児がもっとスピーディーに下降するのではないかという期待のもと、分娩台の背もたれを高くして、産婦に半坐位の姿勢をとらせることです。これでは、腰が丸まってつぶれたような姿勢になり、だんだんと身体もずり落ちていき、産婦は呼吸どころではありません。背骨を伸ばした前傾姿勢腹式呼吸がどんなものなのかを発見し、感じ取ってもらうのに最も簡単なのは、父親の手を借りて前傾姿勢で背すじ(背骨)を伸ばしてもらうことです。まず、床に胡坐(あぐら)をかくか、または椅子やソファーやバランスボールに座るか、お産の日であれば分娩台に座るなどしてください。父親は産婦の前に来て、その時どきの状況に合わせて立位や膝立ちや坐位になって産婦をサポートします。産婦は父親の胸に額や耳をあずけ、両腕を父親の首に回した姿勢で、背中を伸ばしてもらったり、身体を揺らしてもらったり、肩甲骨の下(ブラジャーのフックがくる位置)をマッサージしてもらったりするとよいでしょう。

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