10本書の使い方:産科救急脳のつくり方本書で重要な用語の解説 救急脳:急変対応で必要な能力患者急変の状況で、常に最悪の病態を考えて、予測して行動する能力のことです。救急医に限らず、全ての医療者があらかじめ最悪の自体を想定する力があれば、救われる患者が増えるはずです。 臨床推論:診断に至る考え方臨床推論は、臨床で診断に至る思考過程全てを指します。臨床推論は、助産実践能力習熟段階(クリニカルラダー)レベルⅢ認証制度でアドバンスを目指す助産師、アドバンス助産師を更新する助産師の必須研修に位置付けられています。救急に特化した臨床推論を「エマージェンシー臨床推論」と名付けました。本書はその中でも、産科のエマージェンシー臨床推論について解説しました。 主訴:患者が訴える症状のうちの、主要なもの患者の訴えを医学用語に置き換えるのが診断の第一歩です。「息が苦しい、胸が重い感じで苦しい」と妊産婦が訴えたとき、主訴を〈呼吸困難〉とするか〈胸痛〉とするかで、その後の鑑別が変わってきます。判断が難しい場合は、両方の主訴から鑑別を考えることも有効です。 レッドフラッグ:見逃してはいけない疾患を示唆する症状や所見急変時の観察項目です。この書籍では、主訴ごとにレッドフラッグのリストを提示し、急変時にまず確認すべきレッドフラッグが何なのか、その理由も解説していきます。急変を
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